[バンコク/メキシコ市 12日 トムソン・ロイター財団] -
人工妊娠中絶が全面的に禁止されているフィリピンでは、中絶を希望する女性にとって頼みの綱となる情報源はインターネットしかない。だが、米連邦最高裁判所が6月、中絶を憲法上の権利と認める1973年の「ロー対ウェイド判決」を覆して以来、ネット上で「中絶」と入力することを恐れる人が出てくることを活動家らは懸念している。
ローマカトリックの信仰が主流であるフィリピンでは人工妊娠中絶は一般に「裏」の世界だ。女性らはフェイスブックやテレグラム、シグナルといったメッセージングアプリ上のチャットグループで、ハンドルネームを使って中絶薬を入手し、非合法で人工妊娠中絶の処置を行う医師に連絡を取っている。だが、フィリピンからチリに至るまで、人工妊娠中絶の権利を求める活動家らは、米国における中絶禁止の動きを受け、中絶を希望する女性らがネットの検索履歴や位置情報を通じて追跡される懸念が高まっていると言う。
民間団体「フィリピン安全な中絶のための啓発ネットワーク」で広報担当者を務めるクララ・パディラ弁護士は「米国の動向を見ると、フィリピンの女性らがネット上で情報を求めることをさらに恐れるようになり、結果的に、今以上に危険な中絶が増えることにつながりはしないか」と語る。
パディラ氏はトムソン・ロイター財団の取材に対し「フィリピンでは人工妊娠中絶が非常に不名誉なこととされ、非常に危険であるため、女性は支援と助言を求めてネットを利用する。彼女らはネットの安全な利用を求めている」と語り、国内の警察官を対象としたジェンダー啓発研修の中でも、人工妊娠中絶を理由に女性を摘発しないよう呼びかけているという。フィリピンには、避妊具や避妊薬を利用できない女性も多い。状況を問わず人工妊娠中絶を禁じる世界有数の厳格な法律のため、中絶を行えば最高6年の禁錮刑となる可能性がある。
これまでのところ、フィリピンでは中絶希望者がネット上での行動を根拠に訴追された例はない、とパディラ氏は言う。同氏の説明によれば、法律により個人情報は保護されており、プラットフォーム事業者から情報を収集するにはサイバー犯罪捜査令状が必要になるという。だが、そうした法制が整っていない国も多く、また米国における中絶禁止に向けた変化もあって、世界各国では、妊娠関連情報の記録に使われるスマホの健康管理アプリの安全性について議論が活発化している。
産みの苦しみを生むのを止めよ、カトリック、
望まない、望まれない命を、「悲劇を繰り返してはならない」
『時代は移り行く、信仰の時代は終わったのだ』
人工妊娠中絶が全面的に禁止されているフィリピンでは、中絶を希望する女性にとって頼みの綱となる情報源はインターネットしかない。だが、米連邦最高裁判所が6月、中絶を憲法上の権利と認める1973年の「ロー対ウェイド判決」を覆して以来、ネット上で「中絶」と入力することを恐れる人が出てくることを活動家らは懸念している。
ローマカトリックの信仰が主流であるフィリピンでは人工妊娠中絶は一般に「裏」の世界だ。女性らはフェイスブックやテレグラム、シグナルといったメッセージングアプリ上のチャットグループで、ハンドルネームを使って中絶薬を入手し、非合法で人工妊娠中絶の処置を行う医師に連絡を取っている。だが、フィリピンからチリに至るまで、人工妊娠中絶の権利を求める活動家らは、米国における中絶禁止の動きを受け、中絶を希望する女性らがネットの検索履歴や位置情報を通じて追跡される懸念が高まっていると言う。
民間団体「フィリピン安全な中絶のための啓発ネットワーク」で広報担当者を務めるクララ・パディラ弁護士は「米国の動向を見ると、フィリピンの女性らがネット上で情報を求めることをさらに恐れるようになり、結果的に、今以上に危険な中絶が増えることにつながりはしないか」と語る。
パディラ氏はトムソン・ロイター財団の取材に対し「フィリピンでは人工妊娠中絶が非常に不名誉なこととされ、非常に危険であるため、女性は支援と助言を求めてネットを利用する。彼女らはネットの安全な利用を求めている」と語り、国内の警察官を対象としたジェンダー啓発研修の中でも、人工妊娠中絶を理由に女性を摘発しないよう呼びかけているという。フィリピンには、避妊具や避妊薬を利用できない女性も多い。状況を問わず人工妊娠中絶を禁じる世界有数の厳格な法律のため、中絶を行えば最高6年の禁錮刑となる可能性がある。
これまでのところ、フィリピンでは中絶希望者がネット上での行動を根拠に訴追された例はない、とパディラ氏は言う。同氏の説明によれば、法律により個人情報は保護されており、プラットフォーム事業者から情報を収集するにはサイバー犯罪捜査令状が必要になるという。だが、そうした法制が整っていない国も多く、また米国における中絶禁止に向けた変化もあって、世界各国では、妊娠関連情報の記録に使われるスマホの健康管理アプリの安全性について議論が活発化している。
産みの苦しみを生むのを止めよ、カトリック、
望まない、望まれない命を、「悲劇を繰り返してはならない」
『時代は移り行く、信仰の時代は終わったのだ』
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